部位: 骨盤 臨床概要 患者は62歳の男性。6ヶ月前から、時間とともに徐々に増悪し活動時に悪化する右臀部の痛みを訴えている。身体所見では鼡径部上に腫瘤を触知する。画像所見では右坐骨から発生する大きさ8cmの病変が認められ、軟部組織の進展と斑状の石灰化が見られるが、悪性骨化は伴わない。組織学的には、顕著な粘液様変化、部分的な細胞密度の増加、様々な核の多形性、散在性の核分裂像などの所見を含む示す軟骨性腫瘍を認める。
1〜3のそれぞれの質問について答えなさい。
部位: 甲状腺 臨床概要 患者は 45歳の男性で、進行性かつ無痛性の頸部腫脹を訴えている。臨床検査では血清IgG4値の上昇が認められる。甲状腺の超音波画像診断では、びまん性の低エコーが認められる。穿刺吸引細胞診は細胞数が少なく診断に至らなかった。肉眼所見では、甲状腺はびまん性に腫大し、割面は固い。免疫組織化学的染色では、リンパ球はCD20陽性とCD3陽性が混在し、形質細胞はκ・λいずれも染色され、軽鎖制限は認められない。免疫グロブリンG4(IgG4)染色では、高倍率視野(HPF)あたり50個の IgG4陽性形質細胞が見られる部分があり、IgG4:IgG比は 50%であった。
部位: 卵巣 臨床概要 患者は25歳女性で、6ヶ月前からの多毛と軽い腹痛を訴えて来院した。画像診断では、片側性で大きさ8cmの充実性卵巣腫瘤を認める。手術切除材料では、割面は分葉状で黄褐色を呈し、局所的な出血が認められる。腫瘍細胞はインヒビン陽性、CK7陰性。分子的検査ではDICER1変異が陽性、FOXL2 c.402C>Gが陰性である。
部位: 耳下腺 臨床概要 患者は62 歳の女性。左耳下腺に過去1年間にわたって増大する無痛性腫瘤がみられ摘出された。肉眼所見では、耳下腺には線維化、のう胞性変化、局所的出血を伴う多彩で境界不明瞭な4.2 cmの結節性腫瘤を認めた。
部位: 膵臓 臨床概要 自動車事故に巻き込まれた62歳の女性。CTで膵尾部に4.3cmの境界明瞭な分葉状のう胞性腫瘤を認める。他には病変は見られない。腫瘤生検を何度試みてもうまくいかず、膵体尾部切除術が施行された。肉眼所見では、淡黄色ののう胞液を含み中心部に瘢痕を有する境界明瞭な多房性腫瘤を認める。
部位: 腎臓 臨床概要 家族歴・既往歴のない51歳女性が、腹痛で救急外来を受診した。CTにて腎前方中〜上極に6cmの複雑なのう胞性病変(Bosniak分類 3)が偶発的に認められた。ロボットを用いた腎部分切除術が施行された。肉眼所見では、平滑なのう胞と透明な薄い液体を含む多房性腫瘍を認める。充実部は見られない。
部位: 陰嚢 臨床概要 患者は30歳男性。精巣腫瘍に対する化学療法と左睾丸摘出術後に、左陰嚢腫瘤が出現し切除された。血清中のα-フェトプロテイン、hCG、LDH値が上昇している。切除された10×8×6cmの結節性腫瘤は、出血と壊死を伴う多彩な外観を呈している。細胞は部分的に CD30とOCT3/4に陽性で、別の部位ではα-フェトプロテイン(AFP)とグリピカン3(GPC3)に陽性を呈する。
部位: 子宮 臨床概要 39歳、1経妊1経産(出生児1人)の女性。骨盤痛を訴え、双手診で子宮の肥大と歪みを指摘された。画像診断では、子宮筋層内および漿膜下に複数の病変が認められる。患者は子宮腟上部切断術と卵管・卵巣摘出術を受けた。子宮の肉眼観察では、全重量は2,410g、最大15cmまでの病変が多数見られる。子宮筋層内病変はいずれも硬く白色調、渦巻き状で膨隆した割面を呈している。
部位: 肺 臨床概要 56歳男性。20 pack-year (1日1箱(20本)×20年)の喫煙者で、労作時呼吸困難が新たに出現した。CTスキャンでは、上葉優位に網状のすりガラス状陰影が認められる。右上葉の楔状切除生検が行われた。
部位: 大腿 臨床概要 43歳の女性が、左大腿部中央部の腫脹を訴えて受診した。MRI検査では、境界明瞭で骨格筋内の深部に存在する腫瘤が認められる。腫瘍はT2強調画像で高信号を示し、T1強調画像では筋肉に対して低信号を示す。患者は腫瘤の外科的切除を受けた。免疫組織化学的染色では、腫瘍細胞はCD34陽性、MUC4、SMA、desmin、S100は陰性である。FISH解析ではDDIT3遺伝子 の分離シグナルは陰性である。
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